・このページは、2014年 4~6月に当店がツイートした出品書籍紹介の再掲です。

・リンクから商品ページに飛ぶことができます。画像クリックで拡大。

・並びは時系列順(昇順)、但し品切れのものはページ下部に移動。

・「※品切れ」の表示は「当店の在庫は売れてしまった」という意味で、「amazonマーケットプレイスでの在庫がゼロである」という意味ではありません。

2014/04/20 エッケ『ガルソン』をamazonに出品。表題は「ニ十歳前後の青少年」の意。50年代中ごろのパリの青年の心情を代弁した書。当時のパリと言えば「サルトル熱」のころで、実際彼の名も出る。

 日本が高度経済成長に沸いていた時、パリではもう少しインテリチックな、静かな熱狂があったのだな。サルトル・ボーヴォワール辺りやる人は読んでおくと当時の仏国の気分が分かるかも。ちなみに、仏文学者関根秀雄への献呈本。

2014/04/20 フレイザー『エズラ・パウンド』出品。20世紀初頭モダニズム詩の騎手の評伝。詩の鑑賞・評釈や、当時の批評研究もある。……僕も、こういうダンディーな歳の取り方をしたいもんだ。

2014/05/08 澁澤秀雄『宴會哲学』出品。澁澤栄一の四男の手に成る。この頃の随筆は、どれも滋味があるね。表題の「宴会哲学」では、「接収住宅でのカクテルパーティー」なんて出てきて、時代を感じる。


 どうも下戸が日本式宴会に出るのは、不具者が運動会へ出場したやうな観さへある。(中略)「なんておつしやる方に限つて、実はお強いんでせう?」職務に忠実な芸者諸嬢は、素直に当方の「(下戸だという)申告」を受け入れてくれない。人を疑うのは税務署ばかりとは限らないやうだ。


2014/05/28 スタインベック『おけら部落』出品。スタインベックの出世作だが、絶版。アメリカの古典の中でも、ヘミングウェイやフォークナーに比べて、スタインベックは扱いが悪いですね。伊藤整の月報付です。

2014/05/28 近親者による鴎外伝。弟・順三郎『鴎外 森林太郎』は書誌学者らしく詳細を極めた鴎外研究者必携の書。娘・杏奴『晩年の父』は、父の女性関係に切り込んだ。 ※前者は品切れ


2014/06/18 西山登志雄『河馬的文明論』出品。「カバ園長」の手になる、カバ界の最重要書籍のうちのひとつ(?)。ホモ・ヒポポタマスを自任されるカバ好きのお客様に捧ぐ。機知溢れる随筆として、普通に面白い。

2014/06/25 長門良知『遺稿 魔の海峡に消ゆ』出品。早大法学部半年繰上→見習士官→陸軍少尉、フィリピンへの途上、輸送船撃沈、戦死。軍人らしさよりも、当時のインテリの凄味を感じる手記。教養主義というか。

 「部隊随一の読書家」を自任し、軍務の合間を縫って国内外の文学、芸術書、哲学書を読む。映画の感想も多い。歌も詠む。軍人としても、良識ある合理的な将校だったようで、記述の端々から暖かい人柄が読み取れる。このような若き教養人の命を、あたら散らした戦争であった。


↓ 以下、既に売れてしまったご本 ↓

2014/04/20 『コーヒー学のすすめ』出品。これはコーヒー関係書籍によくある「淹れ方本」や「カフェ紹介本」ではなく、歴史、生産・流通・消費のプロセスなどを統計を駆使して解明する、まさに「学」の書。 ※品切れ

2014/04/20 山口晋平『人生飄々』出品。おでん屋・易者・露天商・役者・軍の通訳……という波乱万丈の経歴を活かした随筆は、ユーモアに富んで面白い。息子の二矢に慈愛の目を向ける、父親らしい記述も。これを出版した8年後、二矢青年は長沼書記長を刺殺する……。事件の後、二矢が鑑別所内で自殺したことを知って読むと、名付けの由来やら、芝居好きであることやら、親子が幸福そうであることが、逆につらい。 ※品切れ


2014/05/08 廣松渉『唯物史観の原像』を出品。池田信夫いわく、「いまだにマルクスの解説書としては最高傑作」。古書価の吊り上がっている本だが、ヤケ強・書込み有のため、相場よりはだいぶお安くしております。 ※品切れ

2014/05/08 野上丹治・洋子・房雄『つづりかた兄妹』出品。戦後まもない時代。父は台湾から引き揚げ損ね、当初は母子ぐらし。日本に着いてすぐ生まれた洋子は口唇口蓋裂。いろいろ問題はあるが、明るく、助け合って暮らしていく様を、三人きょうだいの「つづり方(=作文)」から読みとる。3人の作文を突き合わせて読むことで、家の雰囲気がありありと浮かび上がってくる。これはありふれたホームドラマではなく、血の通った「家族史史料」だと思う。カバー傷みのため、お安くしております。 ※品切れ


2014/05/13 政治的イロモノを一丁。『再臨のキリスト、唯一神又吉イエスは日本・世界をどうするか どのようにするか』。 内容は案外マトモ。でも政見放送がなぁ……。 ※品切れ


2014/05/22 中村昇『小林秀雄とウィトゲンシュタイン』出品。言語哲学の本だが、あまり堅くない。滋味溢れる文体、知的な感動。タイトルの両氏にピンと来た人は、ぜひ一読すべき。僕も学生時代に出合いたかった本。 ※品切れ

2014/05/22 シェンチンガア『アニリン』出品。戦前ドイツの、科学に関する啓蒙と青春小説を併せたような「新興生産文学」。惹句から、当時の日本にとってドイツが「お手本」であり「憧れ」であったことが伺える。 ※品切れ

2014/05/27 『対訳ウェルズ SF短編集』出品。「対訳」って、今じゃあまり見かけなくなりましたね。語学教材の宿命「書き込みアリ」ですが、そのぶん廉価にしております。古典SFを原語で味わってみませんか? ※品切れ

2014/05/28 警視庁保安部外勤課『赤い門燈 外勤警察官・家族の体験記』出品。いわゆる「駐在さん」の体験記を集めた文集。不良を更生させたり、へき地の住民に慕われたり、「古き良き時代」を思わせる内容。 ※品切れ


2014/05/28 トゥルニエ『フライデーあるいは太平洋の冥界』出品。「ロビンソン・クルーソー」のパロディで、孤島でも秩序を重視するクルーソーに、従者フライデーが叛逆する。哲学的示唆に満ち、文体も凄味がある。 ※品切れ

2014/05/29 ハワード『アルカトラズの6人』出品。監獄島からの脱獄に挑む6人の顛末。最後はもう、軍隊来るわ、仲間割れするわ。「見てきた」ような緻密な筆致に手に汗握る。ハヤカワNFの傑作の一つなのに絶版。 ※品切れ

2014/06/21 シェーファー『ザ・ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン』出品。「太陽」たるインカ王 対、無学・粗野で手勢も少ないピサロ将軍。これは「征服」を描いた「対話劇」だ。訳が伊丹十三というのもすごい。 ※品切れ