・このページは、2014年 10~12月に当店がツイートした出品書籍紹介の再掲です。

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 2014/10/01 アルス名歌選『窪田空穂選集』出品。クロス装の文庫本。芸術系のアルスらしい上品なデザイン。大正や大正初期の本は、装丁が豪華ですね。土岐善麿が『まひる野』~『靑水沫』から選び、バランスも良い。

2014/10/01 トラークル『原初への旅立ち』出品。トラークルは色彩語を駆使して「世界苦」をうたい上げた、ドイツ表現主義最大の詩人。その人生も悲劇的だ。本書は訳者 畑健彦による選集。悲壮さと清潔感を併せ持つ詩風。

 

氷雨のふるなか 死んだ子を生みおとす娼婦

狂気して神の怒りは憑かれた者の額を鞭打つ

真紅の疫病 緑の眼を砕く飢餓

おお 黄金の 戦慄に満ちた笑い

しかし さらに沈黙せる人間は暗い洞窟で血を流し

硬い金属で救済者の頭をつくりあげる

――トラークル「沈黙せる人びとに」

2014/11/14 平林彪吾『鶏飼ひのコムミュニスト』出品。労働者・革命家の英雄性を描く旧来のプロレタリア文学とは一線を画す、滑稽と哀感に満ちた作風。昭十年頃に、早くも運動の「空虚性」への眼差し。すごい先取りだ。

2014/12/21 レンゲル『背徳のソナタ』出品。惹句通りの重いテーマと、ブンガク的SM。訳者はセクソロジー研究家にして『カーマスートラ』やマゾッホ、エリスなどの訳で知られる「その道のプロ」、小野武雄。

2014/12/21 生出寿『海軍ひょうきん物語』出品。都留雄三大佐はじめ海軍の「名士(奇行に富んだ人物)」たちの逸話や、「雌山羊の使い道」などの性風俗小伝。「軍隊落語」の海軍版、とでも言うべき楽しい読みもの。 

2014/12/24 『有馬敲詩集』出品。「生活詩人」の作品は、辛辣な社会風刺の詩も多い。表紙の詩からして、昨今流行の「アベノミクス批判」っぽい雰囲気だし(僕が生まれた年の刊だけど)。

↓ 以下、既に売れてしまったご本 ↓

2014/10/02 ハントケ『反復』出品。大戦中に行方不明になった兄の足跡を追ってスロヴェニアを旅した二十歳の記憶を、四十五歳になった主人公が振り返る。今と昔、独語とスラブ語を反復しながら進む、滋味豊かな道中記。 ※品切れ


2014/10/07 ワイルダー『サン・ルイス・レイ橋』出品。橋が落ち、偶然そこにいた五人は墜落死。そこに神の摂理はあるのか?事故を目撃した修道士が五人の生涯を調べ上げる。「異端の行い」として葬られた記録を再構成。「舞台が南米」「キリスト教的倫理観」など日本人には不馴れな要素も多いが、「不運な死」「のこされた者」に関するアメリカ文学の傑作。この復刊を最後に絶版になってしまったようですね。 ※品切れ


2014/10/09 ウィンダム『さなぎ』出品。核戦争後の荒廃した世界、生き残った人々は畸形(ミュータント)を忌み嫌う社会。テレパスの少年はそれを隠して生きているが……。ポスト・アポカリプスものの傑作。絶版。 ※品切れ

2014/10/14 福田恒存『総統いまだ死せず』出品。戯曲。日本に落ち延びていた元「ヒトラーの影武者」が、ヒトラー信奉者集団に担ぎ上げられ……。オウムの出現を預言するような内容、メディア批判なども読み応え有。 ※品切れ

2014/10/19 小野実『骨董金側懐中時計』出品。かつて懐中時計はひとつの「財産」であり、最上の贈り物でもあった。様々な懐中時計の「来歴」を執拗に追い、時の権力者の秘話やシーメンス事件の真相までもが明らかになる。 ※品切れ

2014/10/24 多岐川恭『イブの時代』出品。誰もが文明の恩恵を受け、犯罪は絶滅、娯楽はセックスくらい……捜査法も衰退した未来での連続殺人、コールドスリープから蘇った敏腕検事!エロ・ミス・SFの三拍子揃った怪作。 ※品切れ

2014/10/24 三島由紀夫『わが友ヒットラー』出品。いつ見ても挑戦的なデザインの単行本。表紙のクロスに鉤十字が薄っすらと空押しされてるのもニクイ。今じゃ無理な装幀だね。函・オビ・元パラありで保存状態良好です。

 

クルップ「アドルフ、よくやつたよ。君は左を斬り、返す刀で右を斬ったのだ」

ヒットラー「さうです、政治は中道を行かなければなりません」

 

レーム・シュトラッサーを粛正し、クライマックスでの会話。この「中道」はもちろん欺瞞なのですが……「右左見」を名乗る者としては、真実であって欲しい。 ※品切れ


2014/10/27 ギブスン『クローム襲撃』再入荷。「サイバーパンクSF」開拓者の出世作。『ニューロマンサー』の前日譚を含む短編集。現在『ニューロ』以外は絶版だが、このジャンルの古典として是非読んで欲しい。 ※品切れ


2014/10/27 船坂弘『英霊の絶叫 玉砕島アンガウル』再入荷。個人として唯一戦史叢書に名を載せたあの「船坂軍曹」の、鬼神のごとき戦闘と悲惨な玉砕の記録。三島由紀夫が執筆に力を貸しており、序文も寄せている。 ※品切れ

2014/10/27 大越孝太郎『月喰ウ蟲』出品。猟奇で耽美な世界、綺麗で凄味のあるペン画調。いわゆる「ガロ系」だが、乱歩ぽかったり久作ぽかったり。グロ少な目なので入門用にもいいかも。散りばめられたSFネタも嬉しい。 ※品切れ

2014/10/27 ジャプリゾ『殺意の夏』出品。心理描写に凝った、文学的薫りの高いフランス・ミステリ。復讐に燃えるヒロインの深謀遠慮と、田舎町の暑い夏の風景をジックリ・ジットリ読ませ……結末で絶望させる。つらい。 ※品切れ

2014/10/30 佐藤大輔『皇国の守護者』全九巻完揃。「日露戦争にファンタジー要素を混ぜ込んだような」戦記、一大叙事詩。戦友たちの魂のドラマあり、ハードな戦略・戦術描写あり、ドロドロの権数あり。徹夜確定本。

漫画版も面白かったなぁ。と言うより、僕は漫画から『皇国』に入りました。なんで打ち切りになってしまったんだ……。もっと続いていれば、僕の漫画読み史最高のシリーズになっていたはずなのに……。 ※品切れ

2014/10/30 デュマ『モンテ=クリスト伯』大久保和郎訳(角川文庫)出品。岩波の山内訳、講談の新庄訳と並んで、こちらも名訳だと思うのですが……残念ながら絶版。完揃です。『閑談禄』の一章が附録になっている。 ※品切れ

2014/10/30 ギブスン『モナリザ・オーヴァドライヴ』出品。先日の『クローム襲撃』に引き続き、こちらも入荷。『ニューロマンサー』『カウント・ゼロ』に続く、電脳空間三部作の完結編。『ニューロ』以外は絶版だけど……。 ※品切れ

2014/11/12 ペンドルトン『マイアミの虐殺』出品。ベトナム帰還兵がマフィアを抹殺していくハードボイルド・アクションの傑作「死刑執行人」シリーズ第4作。創元の「マフィアへの挑戦」全20冊から漏れていた貴重な巻。

因みに『〈死刑執行人〉マイアミの虐殺』は、ハヤカワポケミスで唯一のペンドルトンだったりします。まぁ、シリーズ自体は創元が「マフィアへの挑戦」として出しるしね。実際、創元が漏らしてた巻を埋めたって感じかな。しかし本当に、「ベトナム帰還兵+ヴィジランテ」というのは相性が良い。 ※品切れ

2014/11/14 ヘリゲル『弓と禅』出品。新カント派のドイツ人哲学者が来日し、弓道の修業をする。師範の不合理な、まさに禅問答のような指導に苦悩しながらも、ついに理性の向こうの「禅」の境地に至る。日本文化論の名著。 ※品切れ

2014/11/15 『全文・三矢作戦研究』出品。三矢研究とは昭38年統幕が極秘に行った机上演習。朝鮮紛争再発を発端に、ソ連軍北海道侵攻や戦術核使用までシミュレーション。冷戦中の緊張感漲る、「戦後日本」の軍事資料だ。 ※品切れ

2014/11/16 カフカ『夢・アフォリズム・詩』出品。日記やノート、手紙から抜粋された「小説以外のカフカ」。作品の源泉を読み取る資料としても。「お前と世界との決闘に際しては、世界に介添えせよ」うむ、カッコいい。 ※品切れ

2014/11/26 野木恵一『戦車と機甲戦』出品。戦車の誕生〜1981年当時までの流れを詳解。メカとしての戦車だけでなく「戦車中心派vs歩兵支援限定派」など運用法の流行・変遷も。「戦車無用論」への反駁の書でもある。 ※品切れ

2014/11/26 スターリング編『ミラーシェード』出品。サイバーパンクSFのアンソロ。同ジャンルが一番盛り上がっていた80年代中頃の刊で豪華な顔ぶれ。スターリングとギブスンの合作『赤い星、冬の軌道』も収録。 ※品切れ

2014/12/07 デイヴィス『蛇と虹』出品。トンデモ本の呼び声も高い本書だが、「ゾンビ×民俗学」はやはり面白い。ハーヴァードの学者が「ゾンビ・パウダー」の成分知りたさに、墓暴きにまで手を出すのだからスゴイ。 ※品切れ

2014/12/19 植草甚一『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』出品。英語・仏語のミステリを原書で読みまくったJ・Jがいつもの名調子でミステリを紹介しいく。博覧強記ぶりは流石ですね。洋ミスファン必読の書です。 ※品切れ

2014/12/23 飯島耕一『田園に異神あり』出品。一冊まるごと西脇順三郎に関する詩論。時に難解な西脇のモダニズム詩を詳細に分析するだけでなく、その人物史にも深く切り込んだ意欲作。 ※品切れ